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    我那覇 真子
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    星 雅彦
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    松谷 秀夫
    松谷 秀夫
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    仲村 覚
    仲村 覚
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    仲里 嘉彦
    仲里 嘉彦
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    西田 健次郎
    西田 健次郎
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    豊田 剛
    豊田 剛
    那覇支局長
    宮城 能彦
    宮城 能彦
    沖縄大学教授

    沖縄戦の歴史認識を取り戻す

    沖縄県民の思い込みからの解放が沖縄問題解決の糸口

     沖縄を取り巻く問題が山積みである。沖縄は基地問題をはじめ貧困、高離婚率、高失業率、最低賃金、低学力について、いずれも長年全国ワーストワンを記録している。筆者はこれら沖縄の諸問題は、沖縄県民の思い込みが本質的な原因であると考える。教育やメディアによって沖縄県民は繰り返しステレオタイプの刷り込みを受け続けている。特に小学校から始まる平和教育での「沖縄戦の歴史認識」が刷り込みのスタートラインである。
     沖縄県では毎年6月23日前後になると平和教育という名の偏向教育が県内小中高校でおこなわれる。この日は沖縄戦の組織的戦闘が終了した日。県内は「慰霊の日」として小中高校や役所は休みになる。沖縄メディアもこの日を前後に「沖縄戦での住民の被害や悲劇」という情緒的な情報を繰り返し流し続ける。加害者はなぜか日本兵である。沖縄県民は平和教育により、例えば以下の内容を繰り返し教えられ思い込まされている。

    ・沖縄戦は日本の侵略戦争に巻き込まれ、日本の捨て石にされた。
    ・沖縄戦では米軍より日本軍の方が恐ろしかった。
    ・日本兵によりガマから住民は追い出されたり、泣き止まない赤ん坊を殺されたりした。
    ・方言を話すとスパイとみなされ殺された。

     これらの教えは県内の様々な出版物に記載され、金太郎飴のように同じような体験談の使いまわしが常態化している。これではすべての住民が日本兵から虐げられたと勘違いしてしまうほどだ。これらの刷り込みは県民の日本への帰属意識を低下させ、ことさらに反日意識を高めるように作用している。その点で平和教育は中朝韓が行っているとされる反日教育と何ら変わりがないのではないかとさえ思われる。

     日本兵の中には現地沖縄で召集された兵も無数に存在する。それにもかかわらず、沖縄戦は「本土 VS 沖縄」の構図に押し込められ、すべての日本兵が悪い人間だったように繰り返し刷り込まれる。そのため子供たちから先祖である英霊を敬う心を失わせてきた。つまり、「先祖の物語である歴史」と「自身」が分断された人間を育てることが沖縄の平和教育の実態である。だから自尊心が低い子供たちが増えているのだろう。先祖を尊敬できない人間が自身を尊敬できるはずがないのだ。自尊心が低ければ生きる力が弱く、それが沖縄に横たわる様々な問題の根っこになっているように思うのである。沖縄の平和教育は、「歴史」と「自身」との分断、「沖縄」と「本土」との分断を促してきた。その平和教育のど真ん中にあるのが沖縄戦の解釈であり、認識である。だから筆者は沖縄戦の再認識による沖縄県民の思い込みからの解放が沖縄問題の解決につながると考えるのである。

     現代の沖縄戦の認識は実はある時期から書き換えられた形跡がある。史実とは違った書き換えが意図的に行われたのだ。沖縄には沖縄戦直後は日本兵と住民が共に戦い、心を通わせていたことが垣間見える平和教育では決して習わないエピソードが多数存在している。

     例えば、沖縄戦には沖縄県以外の46都道府県から馳せ参じた日本兵が存在する。そのため、沖縄各地に日本兵の奮闘を称え各都道府県名を冠した慰霊の塔が散見される。これら慰霊の塔のいくつかは世話になった日本兵のために沖縄県民が建立したという話である。愛国知祖之塔(愛知県)はそのうちのひとつだそうだ。愛知出身の知人が県民のお年寄りに祖父が日本兵だったという話をすると、「愛知の兵隊さんにはとてもお世話になった」ととても感謝されたそうだ。他にも日本兵に感謝している住民の話は多数存在している。

     さらに、沖縄県民の中には戦後すぐに改姓をしたという人たちがたくさん存在する。世話になった日本兵の姓をあやかってつけたのだそうだ。東南アジアでも日本兵の名前を自分の子供につける数多くの例がある。姓名をあやかる行為からは、相当な信頼と親しみと尊敬と感謝の気持ちを持っていたことが容易に推察できる。これらの例は日本兵が残虐非道な軍隊であったと習ったこととは、かなり実態がかけ離れていると思わざるを得ない。
     「沖縄戦では日本軍と住民はお互いに助け合った戦友であった」という歴史的な事実が隠され、「住民は日本兵の被害者」と書き換えられたのだ。確かに一部日本兵の中には極限状態の中で自らが生きる為に住民を苦しめた例もあるようだが、一部の日本兵の行為だけを強調することはフェアではない。沖縄を守るために若い命を散らした英霊を侮辱することにもなる。それだけでも偏った歴史観や平和教育は見直す必要が絶対的にあるのだ。

    沖縄2紙が支配する平和教育

     戦後初の沖縄戦史の編纂は、昭和23年に設立された沖縄タイムス社が25年に企画出版した「鉄の暴風」である。作家の曽野綾子氏によると、この本を執筆した太田良博氏は、3名のスタッフで3カ月で全沖縄戦の状態を執筆したそうだ。渡嘉敷島の集団自決については、島に渡航せず、軍部の取材もせず、いわば伝聞証拠を元に執筆されたそうだ。太田氏は、この戦記は当時の空気を反映していると暴露している。「当時の社会事情はアメリカ側をヒューマニスティックに扱い、日本軍側の旧悪をあばくという空気が濃厚であった。」(曽野綾子著「集団自決の真実」(ワック BUNKO)より引用)

     このことから「鉄の暴風」は、GHQ の占領戦略である日本軍を「悪」として描いた自虐史観に基づいて執筆された(曽野氏の言葉を借りれば)神話なのである。「鉄の暴風」はその後、大江健三郎氏の「沖縄ノート」をはじめ、様々な著作物や資料に転載、引用され拡散された。曽野氏によると、ある資料は「鉄の暴風」の記述の表現がまるで複写されたように転載されているそうだ。これらの事実から「鉄の暴風」が戦後沖縄の沖縄戦に対する認識を定義したと言っても過言ではあるまい。

     ところで、平成29年の春に筆者の姪が小学校に入学した。慰霊の日を前に彼女にも平和教育なるものが始まった。戦争の悲惨さ、住民の被害のみを訴える DVD が上映され、とても怖い思いをしたそうだ。学習教材の絵本は琉球新報社発行の渡嘉敷島の集団自決の話。みやげとして琉球新報の小学生新聞が渡された。ここでは琉球新報が先生役のようだ。

     さらに、平成29年3月沖縄県史が沖縄県教育委員会により43年ぶりに刊行された。フリージャーナリストの江崎孝氏は、県史の37名の執筆者のほとんどが沖縄2紙の御用学者であり、「沖縄戦」を寄稿する時は、両紙の方針に従わなければならないから、県史の事実上の監修者は沖縄2紙であると断言している。そのため、県史の集団自決の記述は、大江・岩波「集団自決」冤罪訴訟で立証できなかったうえに、文科省の検定意見でも削除対象の「軍命」について、「強制集団死」と言葉を変えて記述している。沖縄県の公式見解であるはずの県史が歴史的事実ではなく、沖縄2紙の方針により編纂がされているのだ。このように沖縄戦の認識が反映される平和教育は、完全に沖縄2紙の支配下にあるのだ。

    書き換えられた沖縄戦の歴史認識

     繰り返すと、戦後すぐに沖縄戦の認識は沖縄タイムス社の「鉄の暴風」が定義した。執筆者である太田氏の証言から、この定義は 日本軍を侵略軍、米軍を救世主とした GHQ の占領政策に全面的な影響を受けていることが理解できよう。GHQ は占領直後、「琉球人は日本帝国主義に支配された異民族である」という偏見を持ち、日本本土の一部ではなく、日本が武力で制圧した島だと考えていた。そのため、GHQ の占領政策は日本の弱体化に主眼を置いた本土政策とは異なる沖縄向け政策がとられた。すなわち、 日本本土を加害者、沖縄県民を被害者と仕立て上げ、両者を分断する意図で刷り込みがなされたのである。アメリカは沖縄をグアムのような直接統治領にしようと分断統治政策を行ったのだ。

     まずはこの文脈の中で沖縄戦の認識が定義されていったことを考慮しなければならない。歴史的事実よりも日本軍を「悪」とすることに比重がおかれたのである。ただし、大阪教育大学准教授の櫻澤誠氏によれば、戦後しばらくの間に出版された戦史は、戦場という「異常時」における悲劇を事実として淡々と記述しているようだ。(櫻澤誠著「沖縄戦の
    戦後史」(立命館平和研究第 11 号)より引用)

     その後、沖縄戦直後にあった軍民が一体となって戦ったことを伺える戦跡やエピソードが一斉に葬り去られた時代があった。それが1970年代初頭に立ち上がった「沖縄戦記録・継承運動」である。それまでの沖縄戦の歴史が「軍隊本位」であり、住民の視点が抜けていると批判的に糾弾され、「住民本位」に書き換えようとする運動であった。この運動の中心にいたのが県史編纂に加わっている前出の沖縄2紙の御用学者たちであった。

     それまでの沖縄戦を伝える記録、語り、石碑の文言からバスガイドの案内に至るまですべてが「軍隊本位」と批判的にとられ、書き換えられた。しかも、「軍隊本位」を本土、「住民本位」を沖縄という分断と対立を煽る形で書き換えられたのだ。そのうえ、当時で戦後25年以上も経過し、記憶も薄れつつある中でのオーラルヒストリーに頼った歴史認識の再構築がされた。その根っこには「分断と対立」構造の階級闘争史観が横たわっている為、内容の信頼性には疑義を感じざるを得ない。実はこの運動の主体は左派勢力によるものであり、戦争直後の GHQ の占領政策が1970年代初頭に左派勢力に受け継がれ強化されたものなのだ。つまり、本土と沖縄を分断する意図をもって沖縄戦の史実が左派勢力により書き換えられたとみるべきなのだ。左派はそこに反基地・反米を書き加えた。

     1970年代初頭と言えば、沖縄県内で祖国復帰運動が盛り上がった時期である。ジャーナリストの仲村覚氏によれば、この運動は日本本土の70年安保闘争と連動した祖国復帰協議会という左派勢力により展開された安保破棄、米軍基地撤退闘争だったようだ。祖国復帰協議会は沖教祖を母体としており、復帰後も沖縄に安保と基地が残ることが判明すると、「沖縄返還協定粉砕」を叫ぶ反復帰運動に変容した。彼らの目的は純粋な祖国復帰にはなく、安保破棄・米軍基地撤去により沖縄を無防備状態で日本にいったん復帰させることにあった。そして、復帰後に日の丸を赤く染める中国の沖縄赤化工作であったのだ。真の沖縄県民は日本復帰を切実に願い、一生懸命に日の丸の旗を振り、復帰運動をおこなっていた。その純粋な心が左派によって利用され、踏みにじられたのだ。その一方、左派は沖縄戦の認識では「住民本位」を偽装し、住民に寄り添っているかのようにふるまってきた。彼らは単に沖縄県民の純粋な住民感情を政治利用してきただけなのだ。

     祖国復帰協議会の正体に気がつき、会を脱退した真に沖縄と日本を愛する少数の教員たちの奮闘、それに呼応した当時の自民党政権の強行採決により、沖縄県の祖国復帰は薄氷を踏むような危うさの果てにどうにか実現したのが真相だ。前述したが、この祖国復帰協議会の背後には中国の工作があり、祖国復帰運動はその支援を受けた活動家が本土より大挙して押し寄せた反基地闘争であった。米軍基地撤去での祖国復帰に失敗し、再起を誓ったこれら勢力が、現代の辺野古移設反対運動による米軍基地全面撤去、沖縄独立を叫ぶ赤化工作の系譜の中にいることを忘れてはいけない。

     同時に沖縄県民の選挙行動がこれら中国赤化工作に時に同調しているように見えるのは、平和教育を通じた反日、反米教育が根っこにあるためだ。平和教育による思い込みが辺野古移設反対運動に一定の支持を与えてしまっているのだ。沖縄県民の思い込みを解放するために沖縄戦の再認識、平和教育の正常化が急務であるとする所以である。

     1983年に始まった1フィート運動は、激しい戦火により沖縄に全く残らなかった沖縄戦の写真やフィルムなどの記録が米国に残されていることを知ったドキュメンタリー作家の上原正捻氏が立ち上げた、1フィート100円の寄付により買い付けた沖縄戦の記録映像を日本に持ち帰り上映するという運動であった。上原氏はこの運動から政治色を排除し、反戦平和活動の道具にされることを拒否した。その取り組みは真に歴史的事実に焦点を当てるもので、オーラルヒストリーに頼りがちな沖縄戦を再認識するチャンスであった。

     しかし、この運動は上原氏が渡米中の留守を狙った前出の沖縄2紙の御用学者たちにより乗っ取られてしまった。その後、この運動は左派史観に都合のよいフィルムだけがつなぎ合わされ上映されるという、左派の反戦平和活動に大きく政治利用されてしまった。全くひどい話だが、組織乗っ取りという盗人のようなことをした面々が、今でも学識者として堂々と通用している事実が沖縄社会の病巣をあらわしているようだ。ちなみに、つい先日鬼籍に入られた大田元知事が構想したとされる平和の礎も、実は前出の上原氏の発案であり、大田氏にアイディアを盗まれたそうだ。大田氏は1フィート運動乗っ取りにも名を連ねている。彼の知事時代のイデオロギー優先の県政運営は多くの県民から顰蹙を買った。そんな彼を県民葬で送るところに県内左派の影響力の強さを痛感せざるを得ない。

     話を戻すと、前述のとおり、平和教育の影の首謀者は沖縄2紙である。沖縄2紙は紙面と教育により情報統制を行い、沖縄赤化計画の一翼を担って来た。平成28年12月22日、公安調査庁は『中国に有利な世論を沖縄で作ることによって日本国内の分断を図る狙いが潜んでいると見られる』とレポートしている。世論を作るのはメディアであることを鑑みれば、このレポートはつまり、中国の工作が沖縄メディアに相当浸透していることを示唆している。さらに、平成29年8月20日、日本共産党の機関紙である「赤旗日曜版」の紙面に沖縄2紙の編集局長が揃って登場し、辺野古移設反対で共産党との共闘姿勢を鮮明に打ち出した。つまり、中国、日本の共産党と沖縄2紙が共闘していることが隠されることなく、露骨に表に出て来ているのだ。そんな沖縄2紙が実質的に支配している平和教育は特定政党の思想教育の場になっていると言っても過言ではあるまい。

    危機こそチャンスの時

     中国や日本共産党とのつながりが明確になった沖縄2紙の論調の意図がついに鮮明になった。不偏不党や公正中立を謳われて騙されるよりも、主義主張を明確にされる方がいいのかもしれない。沖縄2紙は辺野古移設反対を強硬に主張し、自己決定権を叫び、県民が全く支持していない沖縄独立を煽り、米軍全面撤去の世論を作っている。沖縄を無防備状態にし、中国に明け渡そうとする論調に終始しているのだ。平和教育はこの論調を補完するために、先の沖縄戦の住民悲劇だけを繰り返し強調し、どんな戦争であれ、戦争の悲劇は2度と繰り返してはならないと沖縄県民に刷り込み続けている。

     情緒的な戦争反対の論陣は 沖縄県民に 自衛権を放棄させるように迫り、防衛本能を削ぐことに注がれているようだ。その論陣の背後には中国の工作があると思えば合点が行く。すなわち、自分たちが首尾よく侵略ができるように有事の際に沖縄県民が立ち上がらないように扇動していると見るべきなのだ。沖縄は「教育」と「メディア」を牛耳られるという深刻な事態に直面している。沖縄の危機は日本全体の危機である。

     しかし、危機はチャンスでもある。特に日本は危機をバネにしてきた国でもある。幕末や敗戦という危機を乗り越え、大国として世界に君臨してきた。危機を乗り越えて来られたのは、ひとえに先人たちが一致団結して危機に立ち向かったおかげである。

     日本は戦後70余年、眠り過ぎた。現代日本は一致団結できずに今にも内戦が起きそうなほど分断されてしまっている。そういう意味では日本は史上最大の危機ではなかろうか。日本が眠らされてきたのは GHQ の占領政策が原因であり、それを利用し引き継いだ左派勢力によることが明らかになって来ている。真実が明らかにされた今日の日本でそれでもまだ眠り続けるなら、2600年を優に超える日本の歴史を途絶えさせる大罪を犯すことになる。そうなると先人たちにも、子孫にも顔向けができなくなろう。

     幸い平成29年になり、沖縄に第3の新聞と言える八重山日報本島版が創刊され、沖縄2紙に占拠されていた沖縄の言論空間に風穴を開ける動きが出て来た。沖縄2紙の必死の支援をよそに、県内の首長選挙で2紙が支持しない候補が4連勝した。先日の衆議院選挙では直前に起きた米軍ヘリ炎上不時着事故を受けた沖縄2紙のネガティブキャンペーンにも関わらず、選挙区で4区の保守系候補が勝利し、1区では保守票が共産票を上回った。
     このうえは、 沖縄2紙の影響力を排除し、 GHQ や左派勢力による刷り込みから解放された真の平和教育の実現が求められる。それが県民の思い込みを解放し、選挙行動を変えることにつながる、沖縄を守る遠いようで近道なのであろう。学校教育を今すぐ変えることは難しいかもしれない。ならば、今すぐできる民間教育で地道に行うしかあるまい。危機の今こそ、沖縄県民覚醒のチャンスである。

    【参考文献】
    ・「集団自決の真実」・曽野綾子・ワック BUNKO
    ・「沖縄決戦」・八原博通・中公文庫
    ・「私の沖縄戦記」・外間守善・角川文庫
    ・「鉄の暴風」・沖縄タイムス社
    ・「沖縄ノート」・大江健三郎・岩波新書
    ・「「沖縄戦」の戦後史-「軍隊の論理」と「住民の論理」のはざま」・櫻澤誠・立命館平和研究第 11 号
    ・「沖縄戦跡の「表通り」と「裏通り」」・北村毅・ヒューマンサイエンスリサーチVOL13

    ※アパ日本再興在団主催 第10回「真の近現代史観」佳作受賞作

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